JASPICはソフトウェアプロセスの改善に関する研究、普及活動を行っています

SPI Japan 2008

SPI Japan 2008
– ソフトウェアプロセス改善カンファレンス2008 –


■日程:
2008年11月25日(火)午後 ~ 11月27日(木)午前 本会議
2008年11月27日(木)午後 チュートリアル
■場所:
神戸国際会議場
■主催:
日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
■後援:
独立行政法人 情報処理推進機構
財団法人 にいがた産業創造機構
新潟市ソフトウェア産業協議会
■参加費:
本会議     ¥30,000.
チュートリアル ¥15,000.

今日、ソフトウェアは重要な社会・産業システムを支えるだけでなく各種工業製品の高機能化と相まって、規模が飛躍的に増大すると共にその重要性をますます高めています。JASPICは、様々な組織におけるソフトウェアプロセスの改善と、それに伴うプロセス評価に関する研究、技術移転、普及活動や国際交流などに取り組んできました。
日本における、こうしたプロセス改善活動で得られた技術や知見を集大成し、技術力向上と普及の場として、SPI Japan 2008を開催します。本カンファレンスの開催は、2003年より通算6回目となります。

過去5回のカンファレンスを通じて、ソフトウェアプロセス改善活動に関して、各組織が積み上げてきた経験や知見、および事例が活発に発表されてきました。また、JASPICの様々な活動成果も徐々に蓄積・共有化され、その成果が、あますところなく発表される仕組みが確立されてきています。今回はJASPIC参加企業以外からの発表も多く、大学からの発表も予定しています。現場の改善に役立つノウハウ、改善活動の指針となる知見、改善の将来を見通すビジョンなど広範なテーマをバランスよく提供できる場になるものと期待しています。

プログラムの概要は、以下の通りです。

今年の基調講演は、(株)チェンジビジョンの平鍋健児氏をお招きし、

『現場力を高める見える化手法 プロジェクトファシリテーション
~モチベーションアップのツールと場づくり~』
と題してお話しいただきます。

アジャイル開発とトヨタ生産方式からヒントを得た見える化手法を使って、現場のモチベーションを高め、活性化することで生産性を伸ばす「プロジェクトファシリテーション」について、実践方法を交えてお話していただく予定です。

一般発表は、国内企業での改善事例を中心に、41件の発表で構成いたしました。「人材育成」、「委託・オフショア開発」、「品質保証」といった、現場が直面している課題を解決するヒントとなる発表、「現場との協調」、「SEPG」、「プロセス定義」といった、改善活動に関する知見や経験に関する発表、さらには、「経営とSPI」、「定量的管理」といった、改善活動をさらにすすめていく上での指針を与えてくれる発表などを予定しています。

また昨年に引き続き、プロセス改善の分野における学界との技術交流および技術移転を活発にすることを目的として、産学連携セッションを企画しました。今回は『ソフトウェア人材育成について大いに語ろう』と題して、産官学での人材育成の取り組みにご熱心な、荒木啓二郎先生(九州大学)、深瀬光聡先生(九州大学)、鰺坂恒夫先生(和歌山大学)の3名をお迎えし、IT企業での人材育成のあり方について会場を巻き込んで議論いたします。この議論にはJASPICにおいて人材育成を研究しているSPIBOK分科会、および人材育成分科会の代表者も参加いたします。
またSPI活動に統計学的手法の活用を推進するために、日本における統計学の権威である中村剛先生(長崎大学)をお招きし、「定量的管理」セッションでのご発表をお願いしております。

さらにチュートリアルとして、
開米瑞浩氏(アイデアクラフト)による
「仕様書を書くエンジニアのための国語力」 – 一日・3分・3行図解トレーニング –

JASPICプロダクトライン分科会による
「ソフトウェアプロダクトライン開発の本質」

と、盛りだくさんの内容で開催いたします。

【参加申込】
お陰様で満席となり、お申込を締め切らせていただきました。
また次回のご参加をお待ちしております。

【事務局連絡先】
日本SPIコンソーシアム 事務局
〒160-0004 東京都新宿区四谷3丁目12番地 丸正ビル5F
(株)SRA先端技術研究所 内
03-3357-9011(tel),03-3351-0880 (fax)

【プログラム】
11月25日(火)午後 本会議

時間

内容

12:00-

受付(終日)

13:15-14:45

◎オープニング(国際会議室301)
挨拶:安倍 秀二(パナソニック エレクトロニックデバイス)

◎基調講演(国際会議室301)
現場力を高める見える化手法 プロジェクトファシリテーション ~モチベーションアップのツールと場づくり~
平鍋 健児(チェンジビジョン)

14:45-15:15

休憩

15:15-17:15

◎セッション1A(国際会議室301)
「プロセス定義」

プロセス定着への取組み ~テーラリングからはじまるプロセス改善~
相澤 武(インテック)

現場主導の改善を促す「CMMI® 組織プロセス定義」取り組み事例
川崎 浩一(富士ゼロックス情報システム)

メカ・エレキ・ソフトのプロセス比較 ~複数企業の調査結果から見えてきたもの~
前田 直毅(iTiD コンサルティング)

ISO/IEC 15504とSPEAK IPA版の解説
室谷 隆(TIS)

◎セッション1B(501会議室)
「人材育成」

「ケーススタディによる実践的プロマネ研修」の開発と進化
鈴木 哲哉(ソニー)

ソフトウェアプロセス改善活動に必要なスキルを定着させる方法 ~プロセスアプローチから始める~
片野 寿昭(パナソニック)

ソフトウェアプロセス改善の実施に必要な能力とは何か ~わからないなりの検討経過報告~
林 好一(SRA先端技術研究所)

教育コンテンツの体系化による効率的なSEPGの育成
矢部 智(NTTデータ)

◎セッション1C(502会議室)
「現場との協調」

プロジェクト管理ファイル(PMF)を用いた、開発現場に根付いたプロセス改善活動の実践
-プロジェクト管理の見える化とメトリクス収集の自動化を目指して-

伊藤 正弘(パナソニック)

現場の心を開いて改善を促進する ~発散型レトロスペクティブのススメ~
野島 勇(SRA)

組織再編後のSPI活動 ~まずはプロジェクトに教えてもらおう〜
衛藤 弘嗣(オムロンソフトウェア)

組織横断的な改革を実現するコミュニティ・アプローチによる改善の事例(PMコミュニティ)
永地 恒一(ソニー)

111月26日(水) 本会議

時間

内容

9:00-

受付(終日)

9:30-11:30

◎セッション2A(国際会議室301)
「定量的管理」

統計的手法による不具合予測モデル構築 ~定量的プロジェクト管理の定着を目指して~
竹内 朝一(東芝デジタルメディアエンジニアリング)

定量的品質管理と指標値標準化の取組み
石川 佳史(三菱スペース・ソフトウエア)

プロセスデータを用いたリスク解析と東証障害の原因究明法に関する考察(1)(2)(3)
木田 成美 (長崎大学)

SPI活動における統計的学活用法(1)(2)
中村 剛(長崎大学)

◎セッション2B(501会議室)
「SEPG」

プロセス改善の組織への定着化への取り組み
木村 良一(三菱スペース・ソフトウエア)

社内アセスメント体系の再構築 -CMM®からCMMI®へ-
植村 貴美(パナソニック四国エレクトロニクス)

CMMI®が嫌いな人へ
新海 良一(日立ソフトウェアエンジニアリング)

ソニーグローバルソリューションズ(株)におけるプロセス診断活動(SPIDER)の課題と取り組み
渡辺 哲平(ソニーグローバルソリューションズ)

◎セッション2C(502会議室)
「人とプロセス、計画立案」

人とプロセスの共存共栄 ~現場で得た改善活動推進のヒント~
藤井 顕伸(パナソニック)

フィールドワークを応用したプロセス改善活動の実行手法
平田 貞代(富士通)(最優秀賞受賞)

計画は“書く”のではなく“立てる”もの ~プロジェクト計画とサイズ見積りの実践事例~
高橋 裕之(ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ)

アジャイルプランニングと進捗の見える化
加納 豪(ソニー)

11:30-13:00

休憩

13:00-14:30

◎セッション3A(国際会議室301)
「経営とSPI」

3階層モデルに基づくSQA活動
山西 通代(パナソニック アドバンストテクノロジー)(プログラム委員長賞受賞)

プロセスポートフォリオマネジメント -個のプロセス改善から群のプロセス改善へ-
宮下 洋一(東京コンピュータサービス)

プロセス改善の真髄 ~日本のソフトウェア産業の発展に向けて~
森田 祥男(ソニーグローバルソリューションズ)

◎セッション3B(501会議室)
「委託・オフショア開発」

オフショア開発拡大における問題解決 ~困難理由対策とoSQA活動~
湯浅 恵太(オムロンソフトウェア)

組織間プロセスの管理と改善
呉 昕(ソニーデジタルネットワー クアプリケーションズ)

海外の開発組織と目指したい“パートナー”な関係
~グローバル改善活動の成功の秘訣、それは3つの“C”“communication、coordination、collaboration”~

水田 恵子(パナソニック エレクトロニックデバイス)

◎セッション3C(502会議室)
「可視化」

インクリメンタルな開発の測定事例の報告
藤井 拓(オージス総研)

ソフトウェア生産性データの可視化についての一考察
井奥 章(日立製作所)

ビジネス効果の定量的測定手法の開発と適用
山口 祐史(富士フイルムソフトウエア)(実行委員長賞受賞)

14:30-15:00

休憩

15:00-17:00

◎セッション4A(国際会議室301)
「産学連携」

ソフトウェア人材育成について大いに語ろう

荒木 啓二郎(九州大学)
鰺坂 恒夫(和歌山大学)
深瀬 光聡(九州大学)

◎セッション4B(501会議室)
「品質保証」

品質見える化ツール導入の壁 ~乗り越えるための3つの秘訣~
伊藤 浩子(キヤノンソフトウェア)

統計的品質管理手法の確立
中村 伸裕(住友電気工業)

統計的品質管理手法の全社展開
山邊 人美(住友電工情報システム)

ピアレビューの‘量’から‘質’への転換 ~効果が上がるシンプルな基準~
唐島 めぐみ(オムロン)

◎セッション4C(502会議室)
「プロジェクト管理」

ゲートクリアのリスク管理手法の開発と適用
山口 祐史(富士フイルムソフトウエア)

大型プロジェクト成功のツボ ~コミュニケーション主体のプロジェクト管理で利益を大幅改善~
和良品 文之丞(キヤノンソフトウェア)

“五月雨式な”大規模組み込みソフト開発におけるメトリクス活用事例
-トレーニング指向アプローチによる“考え使う”業務スタイルへの挑戦-

山路 厚(デンソークリエイト)

組織文化との融合
小林 浩二(パナソニック)

11月27日(木)午前 パネルディスカッション、クロージング

時間

内容

9:30-11:30

◎パネルディスカッション
プロセス改善の極意を求めて

司会:
和田 典子(ソニー)

パネリスト:
安倍 秀二(パナソニック エレクトロニックデバイス)
艸薙 匠(東芝)
小室 睦(日立ソフトウェアエンジニアリング)

目的:
プロセス改善活動をうまく推進するためのヒントを提供する。

概要:
企業内でSPI活動を推進・支援されている方々を司会・パネリストとしてお迎えし、「SPI状況と工夫したヒントやノウハウ」、「現状の課題」、「今後さらにSPIを活性・進化させていくために」といった観点で議論を行い、更に、会場の方々との議論も交えながらパネルディスカッションを展開することで、改善活動を効果的に進めるヒントを発見していただく。

11:30-12:00

◎クロージング

11月27日(木)午後 チュートリアル

時間

内容

12:30-13:30

受付

13:30-16:30

◎チュートリアルA(501会議室)

仕様書を書くエンジニアのための国語力 - 一日・3分・3行図解トレーニング -

開米 瑞浩(アイデアクラフト)

◎チュートリアルB(502会議室)

ソフトウェアプロダクトライン開発の本質

JASPICプロダクトライン分科会
林 好一(SRA先端技術研究所)、
渕田 善春(NEC航空宇宙システム)

◎チュートリアルA 「仕様書を書くエンジニアのための国語力」 – 一日・3分・3行図解トレーニング –
内容:
ど んなにシンプルな良い設計をしようと、ソフトウェアの仕様はどうしても複雑なものです。いくら頑張ってみても、100万行のプログラムの概要を5行のプレ ゼンテーションにまとめられるものではありません。そこで、複雑なものでもスイスイわかるように表現するために、「図解」を使いたいところですが、それが また難しい、と苦手意識を持ってしまっているエンジニアが大変多いようです。

と ころが実は、「図解」を考えるにあたって最も必要なのは「図の書き方の知識」ではなく、「文章の読解力(=国語力)」であるということを多くの方が知りま せん。そのため、「図解力を身につける」ために最も効果的なトレーニングができずに、ただただ「ああ難しい、苦手だ・・・」と敬遠してしまっているのが現 実です。

このチュートリアルでは、「複雑な仕様がスイスイわかるように表現したい」エンジニアのために、図解力のベースとして必要な「文章の読解力」についてお話しし、かつ、1日3分だけでも可能な「3行図解トレーニング」の方法を紹介します。
どんな仕事をする上でも大事な「コミュニケーション能力」の土台とも言える「読解力」を通じて「図解力」を身につけましょう。

対象者:
仕様書や資料を書く、全てのエンジニア・管理者。

◎チュートリアルB 「ソフトウェアプロダクトライン開発の本質」
内容:
ソフトウェアプロダクトラインとは何でしょう?ここ数年、この言葉を見聞きする機会は増えてきています。プロダクトライン開発によって、品質、コスト、開発期間(QCD)を向上させることができますし、その事例も増えてきています。ですが、いまだに「部品化のことでしょう?」とか、「再利用なら以前からやっています。」という反応が多く、まだその本質が広く理解されているようには思われません。

ソフトウェアプロダクトライン開発は、「新しく作ることをせずにシステムを創る」ために、「使うことがわかっているものを用意」し、それを「計画または規準 どおりに行なう」という考え方に従っています。それが形になったものがプロダクトライン(製品系列=類似する製品群)と呼ばれます。これを行なうだけのことで、QCDが良くなっていきますが、実は容易なことではありません。

本チュートリアルでは、プロダクトライン開発技術およびそのプロセスの本質と、その背景である従来の考え方やもの作りの仕方、その変遷と現状、そして将来の あり方を皆さんと共有します。言い換えると、ソフトウェアプロダクトライン開発の意味と、そのソフトウェア事業の中での位置づけを明らかにするチュートリ アルです。そこでは以下の内容をお伝えします。

【プロダクトライン開発の本質的な要素】
・この考え方の目指すところ
・従来の、よくある「再利用」アプローチとの違い
・この考え方を実現する基本的なプロセスおよび体制
【プロダクトライン開発の事例の分析結果】
・各社がこの考え方を取り入れようとしたきっかけ
・この考え方が生まれた背景
  +もの作りがたどってきた歴史
  +品質の捉え方の変遷
・現在のソフトウェアの作り方の状況
・これからのソフトウェア事業のあり方

※以下の事項については、本チュートリアルには含まれません。
・この考え方に用いるエンジニアリング技術およびプロセス技術
・この考え方を実現する方法論の詳細

対象者:
・ソフトウェアプロダクトライン開発の本質を知りたい人
・何故ソフトウェアプロダクトラインの考え方が生まれたのか知りたい人
・何故ソフトウェアプロダクトラインが話題となるのか知りたい人
・ソフトウェアプロダクトライン開発の意味を上司や同僚に説明したい人
・ソフトウェアプロダクトライン開発の自組織への適合性を検討している人

チュートリアルは、募集枠が本会議よりかなり少なく、早期に定員に達することが予想されます。
どうぞ、お早めにお申し込みください。

【カンファレンススタッフ】(あいうえお順)

SPI Japan 2008 実行委員長
安倍 秀二(パナソニック エレクトロニックデバイス)

SPI Japan 2008 プログラム委員長
岩見 好博(オリンパス)
阪本 太志(東芝デジタルメディアエンジニアリング)
濱崎 治(オムロン)

SPI Japan 2008 プログラム委員
石川 佳史(三菱スペース・ソフトウエア)
石原 鉄也(矢崎総業)
板橋 吉徳(松下電器産業)
井之内 博夫(オムロンソフトウェア)
今井 眞紀(ニコンシステム)
臼杵 誠(富士通)
梅谷 昌範(三菱スペース・ソフトウエア)
大沢 悟(富士通)
北村 秀生(東芝インフォメーションシステムズ)
木村 良一(三菱スペース・ソフトウエア)
後藤 徳彦(日本電気)
小松澤 敦(日立製作所)
静永 誠(SRA)
菅原 耕一(富士フイルム)
瀧本 法良(日本アイ・ビー・エム)
たら沢 健志(富士ゼロックス)
塚本 直史(NTTデータ)
丹羽 武志(インテック)
早川 一夫(ジャステック)
東 岳人(日立ソフトウェアエンジニアリング)
丸藤 純夫(電通国際情報サービス)
三澤 智則(ソニー)
麦野 忍(テプコシステムズ)
吉村 宏之(松下電器産業)

SPI Japan 2009 事務局
松村 好高(SRA先端技術研究所)
林 好一(SRA先端技術研究所)
石川 晶子(SRA先端技術研究所)
石曽根 信(SRA先端技術研究所)
乘松 聡(乗松プロセス工房)

(*)CMM®及びCMMI®は、カーネギーメロン大学により米国特許商標庁に登録されています。
SEPG、PSPおよびTSPは、カーネギーメロン大学のサービスマークです。

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