SPI Japan 2011
– ソフトウェアプロセス改善カンファレンス2011 –
- ■日程:
- 2011年10月26日(水)午後 ~ 10月28日(金)午前 本会議
- 2011年10月28日(金)午後 チュートリアル
- ■場所:
- 場所: アクトシティ浜松 コングレスセンター (静岡県浜松市)
- http://www.actcity.jp/sponcer/congress/
- ■主催:
- 日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
- ■後援:
- 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
- ソフトウェア技術者協会(SEA)
- 浜松市
- 財団法人 浜松観光コンベンションビューロー
- ■参加費:
- 本会議 ¥30,000(税込み) チュートリアル ¥15,000(税込み)
ソフトウェアが社会に広く浸透し、その果たす役割がますます重要なものになっていることは疑う余地もありません。ソフトウェアに対する要求は高度化、大規模化し、ソフトウェア開発には、高レベルの品質の実現、高レベルの生産性が求められています。これに対応すべく、ソフトウェアプロセスも日々進化させて行かなければなりません。JASPICにおいても、様々な組織におけるソフトウェアプロセスの改善・評価に関する研究、技術移転、普及活動や国際交流などに取り組んでまいりました。
各所におけるプロセス改善活動で得られた技術や知見を集大成し、技術力向上と普及の場として、今年もSPI Japan 2011を開催します。本カンファレンスの開催も2003年より通算9回目となり、日本におけるソフトウェアプロセス改善活動推進に対して一定の役割を果たせるようになってまいりました。本カンファレンスは企業からの発表だけなく、大学からの登壇も予定しています。現場の改善に役立つノウハウ、改善活動の指針となる知見、改善の将来を見通すビジョンなど広範なテーマをバランスよく提供させていただく予定ですので、ご期待下さい。
プログラムの概要は、以下のとおりです。
◎基調講演
「ソフトウェア開発の潜在能力を活かすためのプロセス改善へ ~プロセスを自在に設計することの時代的意味について~」と題し、システムクリエイツ 代表 清水 吉男氏に講演いただきます。
今日、ソフトウェアがビジネスを決める時代にあります。ソフトウェアが機能や品質を左右するというだけでなく、「開発方法」においても他の追随を許さないような大きな格差を生み出すこともできるのです。それは、ソフトウェアの開発はハードウェア開発のような制約を受けず、大胆な発想も可能だからです。それが「ソフトウェア」のはずです。 残念ながら、多くの開発組織では、プロセスを設計する機会が現場のエンジニアの手にありません。そこでは「プロセス改善」という活動の中で、事前に組織で決められた「標準プロセス」に沿って作業をすることになっています。実質的に30数年間,プロセスの面ではほとんど何も変わっていません.それが「プロセスは非人間的」と言われるゆえんでしょう。 重要なことは、要求を把握し、それを達成するための合理的なプロセスを自在に設計するスキルを手に入れることです。それが「Winning with Software」を実現することになるのです。そのとき、「ソフトウェア開発の面白さ」を実感することでしょう。 (清水氏より)
◎一般発表
一般発表は、国内企業での改善事例を中心に、36件の発表で構成いたしました。現場が直面している課題を解決するヒントとなる発表、改善活動に関する知見や経験に関する発表、さらには、改善活動をさらにすすめていく上での指針を与えてくれる発表などを予定しています。
◎産学連携セッション
産学連携セッションでは、従来から学術研究者の方々をお招きして、産業界との交流を図ってきました。今回は、ソフトウェア開発以外の分野でご活躍の先生をお呼びして、安全・安心なシステム作りに対するアプローチをご紹介いただきます。異業種の知見を通してソフトウェア開発における新たな気づきを得る場といたします。
東京大学工学部精密工学科 佐久間 一郎教授からは「医工連携研究の実用化に向けた課題~低侵襲治療デバイス開発におけるリスク評価と対策の経験から」、新潟大学工学部福祉人間工学科 林 豊彦教授からは「「誰でも使いやすい」とはどういうことか?~障がい者から学ぶインタフェース機能~」と題し、先生方のわかりやすく、 示唆に富んだお話しをいただきます。
◎パネルディスカッション
「プロセス改善の効果 ~未来への指針~(これまで進んで来た道は、この先、どこへ進むのか?)」をテーマに5人のパネリストによるパネルディスカッションを開催します。
「プロセス改善をすると、何がどのように良くなるのか?」に対する解を、明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。このため、成果の判断が難しく、結果として途中で挫折してしまう組織やプロジェクトが発生してしまうのではないでしょうか?
本パネルでは、「プロセス改善で見られた効果は何か?」を議論することで、効果の定義を明確にしながら、「その効果を得るためには、我々は今後何をしていけばよいのか?」を探っていきます。
◎SPIの小部屋
SPI Japan 2010で初めて試みた「SPIの小部屋」、好評につき、ファシリ テーターに前川直也氏(パナソニック株式会社)を迎え、『プロジェクト メンバ自身が実感できるプロセス改善・スキル向上』~ 自律しないプロ ジェクトをファシリテーションで問診してみよう!~として、みなさん のリアルなお悩みを問診票にまとめていただき、「プロジェクトファシリテーション」をつかった診断方法で診察します。
◎チュートリアル
チュートリアルは早稲田大学 岸 知二教授による「形式検証のソフトウェア設計検証への活用」とソフトウェアテスト技術振興協会 理事 鈴木 三紀夫氏による「テスト観点に基づくテスト設計」の2講座用意しました。詳細は【プログラム】をご覧ください。
以上のプログラムで、皆様の参加を心よりお待ちしております。
【参加申込】
参加申込は終了しました。
【問合せ先】
sj11info アット jaspic.org
(宛先の「アット」を “@”に置き換えて、件名に「SPI Japan2011について」とお書き添えください。)
【プログラム】
■10月26日(水) 本会議
時間 |
内容 |
12:30- |
受付(終日) |
13:30-15:30 |
◎オープニング(41会議室 ) ◎基調講演(41会議室) |
15:30-16:00 |
休憩 |
16:00-18:00 |
◎セッション1A(41会議室) 「レベル3以上」のソフトウェア技術者育成とその成果 ~ソフトウェア技術者の能力向上の取組みと育成成果の定量化~ 設計力強化全社活動 ~アーキテクト育成とスキル認定~ SEPGリーダートレーニングコースへの「人材育成カルテ」の活用 ~問診、診断、処方で効果的なSPI人材育成のアプローチ~ 若手・中堅を本気にさせるプロジェクトリーダー研修 |
◎セッション1B(43+44会議室) IEEE830-1998に基づく要件定義の実践 ~効率的なソフトウェア要求仕様書の作成手法の紹介~ オフショア開発における要件定義プロセスの改善 ~要求仕様書、レビューに着目した上流工程の品質向上~ 産学連携によるデザインレビュー改善事例 パッケージ開発プロセスのプロセス改善による品質向上 ~タイムボックス制約付きインクリメンタル開発~ |
|
◎セッション1C(52+53+54会議室) 医工連携研究の実用化に向けた課題 ~低侵襲治療デバイス開発におけるリスク評価と対策の経験から |
◎セッション1C(産学連携) 医工連携研究の実用化に向けた課題~低侵襲治療デバイス開発におけるリスク評価と対策の経験から
・内容:
医工連携研究の出口として手術ナビゲーションシステム,高機能内視鏡,手術支援ロボットなどの低侵襲手術支援技術の開発研究が本邦でも盛んに行われています。しかしながらその実用化・商品化にはいまだ多くの困難があります。腹腔鏡下手術において内視鏡を手術助手に代わって操作する内視鏡マニピュレータの研究開発,手術ナビゲーションデータを術野に投影し,穿刺動作の正確さを向上させるナビゲーション装置の開発などで,経験した技術開発と共に必要となる実用化のための様々なリスク評価と対応例を紹介するとともに,実用化さらには商品化を進めるにあたって考えなければならない事項を紹介し,医工連携研究成果,特に治療機器を実用化する際の課題を考えていきたいと存じます。
◎セッション3C(産学連携)「誰でも使いやすい」とはどういうことか? ~障がい者から学ぶインタフェース機能~
・内容:
現在,パソコンのアプリケーションやインターネットブラウザを使って,情報収集・発信, 物品購入をすることが多くなった。しかし、誰でもほんとうに安全にかつ安心して使えるのだろうか?例えば高齢者はひとりでATMを使ってお金を出し入れできるだろうか?障がい者は?
従来このような人たちは特殊な人々と考えられてきたが,社会の高齢化と多様化に伴い,すべてのソフトウェアは,できるだけ多くの人が使えるように設計する必要が生じた。対応が不十分な機器・ソフト・サービスは,いずれは商品としては認められなくなるだろう。私は新潟市障がい者ITサポートセンター長として,多くの 高齢者や障がい者に対してIT機器の利用を支援してきた。その結果,機器・システムは,これらの人々でも簡単に使えるように設計しておけば,どんな人でも安全にかつ安心して使えるシステムができると考えるようになった。「障がい者のために使いやすく作ってあげる」ではなく,「障がい者から使いやすさについて教えてもらう」という発想の転換だ。本講演では,コミュニケーショ ン障がい者のための音声出力型コミュニケーションエイド,運動機能障がい者のためのキーボード・マウス代替機器や操作スイッチなどを具体例として,ユーザインタフェースのアクセシビリティとユーザビリティについて論じたい。
■10月28日(金) 本会議
時間 |
内容 |
9:10- |
受付(9:10-10:00) |
9:30-11:00 |
◎パネルディスカッション(41会議室) 司会: パネリスト: 目的: 概要: |
11:00-11:30 |
◎クロージング(41会議室) |
■10月28日(金) チュートリアル
時間 |
内容 |
12:30- |
受付(12:30-13:30) |
13:30-16:30 |
◎チュートリアルA(43+44会議室) 形式検証のソフトウェア設計検証への活用 岸 知二 (早稲田大学) |
◎チュートリアルB(52+53+54会議室) テスト観点に基づくテスト設計 鈴木 三紀夫 (NPO法人 ソフトウェアテスト技術振興協会) |
◎チュートリアルA 形式検証のソフトウェア設計検証への活用 ~形式検証を遠目に眺めると~
・内容:
モデル検査技術に代表される形式検証の認知が高まり、従来から適用されてきた分野や対象だけでなく、様々なソフトウェアに対しての実務適用が試みられています。教育機関だけでなく、実務者を対象とした解説やセミナーなども行われており、実際に形式検証のツールや技法の利用経験を持つソフトウェア技術者もだんだん増加しています。そこで本チュートリアルでは、形式検証の詳細な解説やツールの利用方法ではなく、ソフトウェア開発の中でそれを活用する際に留意すべき点について考えてみます。ここでは特にモデル検査技術による設計検証を例として取上げ、その活用に関して、以下のようなマクロな視点から検討します。
1.形式検証の特徴
ソフトウェアそのものを検証対象とするテストと違って形式検証はソフトウェアをモデル化(抽象化)し、そのモデルを検証します。したがって、モデル上で性質が成り立つ、あるいは成り立たないということが、ソフトウェアにおいてどういう意味を持つのかは、どのようにモデル化したのか、またどのような性質をどう検証したのかによって大きく変わってきます。こうした形式検証の基本的な特徴や活用上の留意点について説明します。
2.形式検証にかかわる情報フロー
形式検証は数学や論理学に基づく厳密な技法ですが、その検証に用いられるモデルや性質は、大本に遡ればあいまいな人間の意図であったり、要求であったりすることもあります。したがって、形式検証を行う際には、そもそもそうしたモデルや性質が何に基づいているのか、そこからモデルや性質を導出した過程はどういうものだったかといったことを注意深く確認する必要があります。こうした形式検証を取り巻く情報フロー検討の重要性について説明します。
3.形式検証の位置づけ方
形式検証をソフトウェア開発の中で利用するためには、通常の開発で記述されるドキュメントやUMLのモデルと、検証のために作られるモデルや性質定義との間の関係などについて考えなければなりません。一般に両者は詳細度、厳密性、網羅性などにおいてギャップがあることが多いため、それを埋める工夫が必要となります。こうしたソフトウェア開発の中への形式検証の位置づけ方の一例を紹介します。
・対象者:
形式検証の導入に関心のあるリーダークラスの技術者・管理者、形式検証の特性などに関心のある品質保証担当者、その他、形式検証の内部の詳細ではなく、技術の特徴や適用上の留意点について知りたい人
◎チュートリアルB テスト観点に基づくテスト設計
・内容:
テストケース(テスト項目)のレビューで「テスト観点が抜けている」という指摘をもらったことはありませんか。また、本番障害の原因究明の過程で「テスト観点が漏れている」という発言を聞いたことはありませんか。しかし、これらをきっかけとして、テスト観点について学ぼうとしてもまとまった書籍や資料が無いのが現状です。代わりにテスト技法に関する研修を受講したり、書籍を読んだりしても、改善の糸口がつかめないということもあります。
本チュートリアルでは、組織(会社またはチーム)のソフトウェアテストプロセスでどのような観点を用いているかを確認し、テスト観点に基づくテスト設計の方法について学びます。
・対象者:
テスト設計に関わる人、テストケースレビューに関わる人、プロセス改善に関わる人
【カンファレンススタッフ】
SPI Japan 2011 実行委員長
小松澤 敦(日立製作所)
SPI Japan 2011 副実行委員長
林 好一(SRA)
SPI Japan 2011 プログラム委員長
今井 眞紀(ニコンシステム)
遠藤 潔(日立ソリューションズ)
中山 高宏(ソニー)
SPI Japan 2011 プログラム委員
相磯 正司(富士フイルム)
石原 鉄也(矢崎総業)
大沢 悟(富士通)
片山 栄和(ニコンシステム)
唐島 めぐみ(オムロン)
木村 好秀(日立ソリューションズ)
古石 ゆみ(SRA)
小嶋 久典(三菱スペース・ソフトウエア)
権正 治好(富士ゼロックス)
近野 章二(日立製作所)
菅原 広行(ソニー)
田村 朱麗(東芝)
たら沢 志織(富士ゼロックス)
中村 淳 (NTTデータ)
早川 一夫(ジャステック)
平原 嘉幸(東芝テック)
藤井 顕伸(パナソニック)
船原 慎大郎(三菱スペース・ソフトウエア)
古瀬 正浩(インテック)
宮脇 祥子(特別会員)
由井 美恵子(日本電気)
SPI Japan 2011 事務局
石曽根 信(SRA)
鶴田 範子(SRA)
中島 亜澄(SRA)
乘松 聡 (乗松プロセス工房)
JASPIC セミナー推進チーム
後藤 徳彦(NECソフト)
CMMIは、カーネギーメロン大学により米国特許商標庁に登録されています。
SEPGは、カーネギーメロン大学の商標です。